51 水口 (Minakuchi)
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宿場留女

真ん中の旅籠の屋号が歌川や。火消同心の安藤重右衛門が14歳で入門した先は、芝増上寺の門前町にいた絵師の歌川豊広。小一時間の距離を馬場先御門の前の定火消屋敷から通ったようだ。翌年、師匠から広重の画号を許される。また、右の旅籠は佐野やでこのシリーズの版元の佐野屋喜兵衛の屋号。佐野喜は老舗で、広重がまだ売れなかった頃から東都名所などの風景を描かせた。二つの名を並べたのが広重の気持ちかと思われる。


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