49 阪之下 (Sakanoshita)
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筆捨山塊

高さ289mの筆捨山は川の削った渓谷を隔てて、街道の東に接する。筆捨の名の由来は、画家の狩野元信がこの峰をスケッチしたとき、雲煙飛湧し山の変容ただならず、惑わされてついに描けず絵筆を投げ捨てたという故事。図では宗匠風の翁が、急な登り坂から峰をさしてこう話をする。この先の鈴鹿峠を越す道は、西からより東からの登りがきつくて古来、京を護る自然の要崖である、と。京までは残り18里。二日あれば着く。


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