27 掛川 (kakegawa)
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門付衆

広重は街道上に実にさまざまな職業を写す。この橋の上で長四角い箱を背負っている行者のような風体は、観音巡りとか観音しょいと呼ばれた商売。背中の箱は御厨子で、中には千手観音の実物が入っている。各家庭へ廻ってきて厨子を門前に立て、開帳して読経したり、連れの子供に音曲を舞わせたりする。それで銭の施しを受ける。その正体は寺僧ではなくて、流れ者が多かった。明治中期の写真に、強烈な彼らがまだ写っている。


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