25 金谷 (Kanaya)
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渡河切符

大名駕籠の脇にいる川人足の一団が、阿弥陀くじを引くみたいに、一人の男へ手を伸ばしている。男の手から見える細いコヨリみたいなものが、実は切符だ。川会所の発行で、一寸幅の和紙に割印を捺し、油をしみ込ませてある。裸の人足は切符を受け取ると頭のまげの根元に結わえてから、客や荷物を川渡しする。そして一日働いた後で川会所へ切符を持ちこめば、人足へその日の賃銭が支払われるしくみ。1696年からの制度だ。


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