24 嶋田 (Shimada)
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大井川越え

一つの大名駕籠へ四五十人の人足が取り付き、渡河の最中。よく見ると人足全員のポーズが一斉にそろっている。掛け声を上げて歩調を合わせている感じ。先頭で肩を組んだ三人は水流の防ぎ役だ。貴人の渡河に際して、文字通りボディーガードが川上側で水流を弱めた、と当時の武士の旅日記にもある。もし人足が誤って背中のお客を落とし、溺死させたら後はどうなるか。過失致死罪なんてものは無い。刑場へ送られただけである。


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