16 蒲原 (Kambara)
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葡萄雲

蒲原の地名で思い出すのは、保永堂版東海道53次の『蒲原/夜之雪』図にある、しんしんとした静けさという人が多いのではないか。あの図は北国の山中とも見える。あの図を昼間にして雪を消し、入道雲の下に駕籠屋を登場させたら、この図みたいになる。逆にこの図をすっかり雪で覆ったらどうなるか。浮世絵師は、料理方法さえ上手くやれれば盗作もやり放題の自由だった。広重もやった。種本以下なら嘲笑されただけである。


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