37 赤坂 (Akasaka)
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晩夏名月

満月下の赤坂宿。家並みの手前に、街道を挟むように妙なものが見える。石垣の堡塁じみた造りだ。眠ったような宿場内の静けさと対照的で、天辺には忍び返しの鉄柵も突っ立つ。これは現代の概念には薄いもので町木戸だ。鞠子の図にもある。朝夕に木戸を開閉して、特に夜間の警備とする。江戸の入り口の高輪にも大木戸があった。火災で何度も焼失し、今は石垣の基礎が片側だけ、泉岳寺に程近い国道1号線のきわに遺構で残る。


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