19 江尻 (Ejiri)
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青嵐茶畑

街道筋の人力運搬について広重はかなりの観察眼を割いている。当シリーズの絵を見れば自明です。その訳は勝手に推量するしかないが、先祖から彼の家は、生まれと育ちと職業が一体で、江戸の定火消役の同心職。下級侍であり、世襲制だ。彼の意志に関係なく火消同心になる事が、誕生の瞬間から決まっていた。幼い広重は、江戸の町をあらゆる職業の人々が荷物を担いで歩くのを興奮して見た筈。彼には火消以外許されなかった。


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